中国の優しさなど

タクシーを乗っている出張族にはわからないだろう。道を歩いて、困難な状況に合った時、街の優しさがよくわかる。

急に腹痛に襲われてホテルの地下駐車場でうずくまっていたら、整備会社の人らしき人が「不舒服吗」と声をかけてくれた。

ある待ち合わせ場所の地下鉄の出口がわからないで困って聞くと、駅員3人もわからなかったのだが、若いおしゃれな兄さんが急いでいた足を止めて(走ってきてたので)、丁寧に道順まで教えてくれた。

地下鉄のカードの入金を微信でエラーが出ていたら、歩いていた若い女性が自分ので代わりにやってくれたので、その分を送金して解決した。

様々な優しさに触れた。なんだろう、印象にすぎないのだが、1日1日を頑張って生きている、タクシーは高すぎて乗れない、家なんか高くて買えない、ブランド物なんて買う余裕はない、それでも精一杯楽しく生きている、だから辛いこともたくさん知っている、そういう人は、自分が苦しい時期を知っているから、他人の苦しさに余計に敏感であるのだと思う。

入院したことがある人は、入院する辛さがよくわかる。他人の入院に対して、大げさにもならず、ただ辛いことだけは同感できる。自分はよく入院していたから、体調が悪いことが運動不足のせいではないと知っている。不摂生でもない。ただ体調がもともと弱いだけなのだ。

皆が皆、優しいわけではない。深センで車に無理やり乗せられて殴られて金を取られた記憶は1年経った今でもまだ新しい。

けれども、やはりどこかで人の優しさを信じたくなる。そして自分は優しくありたいと思う。

そんなことを電車の座席に座って考えていたら、微信のバーコードを大きな充電器をつけた携帯で見せながら電車内を笑顔で歩き回る若い物乞いが目の前にきた。首を振って断ると、「没关系」と言いながら次の人に移る。みな冷たい。その人がどれだけ辛い目に合ったかはわからないが、もっと正当に稼げる方法があるのに、という冷たい目が多い。

そう思っていたら、ある親子が現金10元を渡していた。バーコードを読み取ってしまうと、自分と繋がってしまう可能性があるため現金を渡すのは賢いな、などと考えていた。

2週間が過ぎた。中国での2週間は、実に密度が濃い。いつもながら。

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